その都度、 拭けばいい

清水 私は、高橋さんのほうが先に出会ってるはずだよね。

高橋 下北沢が舞台の映画、『男はソレを我慢できない』です。

清水 そのあと、ドラマ版の『ちびまる子ちゃん』でまる子の両親役を一緒にやって。

高橋 あのドラマ、うちの子どもや親戚の子が大好きなんですよ。DVDを観すぎて映らなくなって、2枚目を買ったくらい。内容がわかってるのに、自分も何度でも笑って泣きますからね。

八嶋 さっきから2人だけ出てるみたいな感じで話が進んでますけど、僕もたまちゃんのお父さん役で出てますからね。何せ、さくらももこ先生のご指名だったんですよ。あの役は八嶋さんでって。

清水 あー、そうだそうだ忘れてた、ピッタリすぎて(笑)。撮影の時、高橋さんがスタッフの女性たちに大人気で、みんな口々に「結婚したい」って。

八嶋 克実さん、モテるんですよ、昔から。でも知れば知るほど、結婚したくないタイプですけどね。うちに来て飲んでても、ずーっとおしぼりでテーブルを拭いてる。

清水 性分なんだよね。

高橋 水滴とか、ちょっとでも落ちてるとダメですね。汚れものが出ていると、そのまま食べ続けられなくて。途中で片づけたりしちゃうんです。

八嶋 昔、届け物があって克実さんの家に突然行ったことがあります。「ちょっと汚いけど」って通されたリビングがモデルルームみたいにきれいで。なのに、観葉植物の下の汚れが気になるらしく、しゃべりながらクイックルワイパーで拭くんです。でも、今度はどけた時に置いた跡が気になるでしょう? また拭いて……それをずっとやってるから、思わず「克実さん!」って止めましたよ。

清水 もう、やめて~。(笑)

八嶋 同じ草野球チームに入っていた時、練習後に、克実さんの家でシャワーを借りたんです。そしたら、克実さんがいつになっても出てこない。どうしたんだろうと思っていたら、シャワー浴びたあと、汗だくになって風呂掃除してるんですよ。この人は何をやってるんだろうっていう。

高橋 自分でもわかってるんですよね。子どもの頃から、あまりきれいじゃない場所では食べられなくて、母親から「お前は僻地に行くようなことがあったら、真っ先に死ぬ」っていくら言われても、「死んでもいい」って絶対に食べませんでした。

清水 じゃあ、海外ロケの時なんかは大変だね。

高橋 だから42までパスポート持ってなかったんです。今でも、あまり行きたいと思わないですもん。

清水 奥さんから、文句言われない?

高橋 そりゃあ、行きたいんだろうと思いますよ。でもほら、海外は手軽な立ち食いそばとかないんだろうし。国内が一番ですね。

清水 ああ、こんな人と無理に一緒に行っても、つまらなさそう。(笑)