感謝の気持ちを「保険金」の形で

そんな死後手続きをしてくれる遺族への感謝の気持ちを形にするのが「終活のための保険」です。私はこれを「終活保険」と呼んでいますが、「終活保険」という商品は発売されていないため、定期や終身の死亡保険を利用することになります。

例えば、遺言書を書かずにお亡くなりになった場合、相続財産はすべて法定相続人に法定相続分に則って按分されます。妻や子だけでなく、養子に出した子どもにも、認知している子どもにも相続権があります。

すると、正式な遺言書を残さない限り、「一生懸命に介護や看病、死後の手続きをしてくれるとわかっている人に上乗せしたい」と思っても、どうにもすることができません。

遺った者同士の仲がいいとも限りません。親の介護や相続手続きをする中で、きょうだいがいがみ合うのもよくあることです。

「世話になったぶんは、その人に残したい」という場合に、保険は適しています。保険には他の金融商品には見られない特徴が4点あります。

1、株や投資信託などの金融商品は、その時点で値動き(価格変動)があるのに対し、保険は加入時の契約通りに支払われます(変額保険は、満期保険金と解約返戻金には最低保証がないことに注意)。

2、生命保険、介護医療保険・個人年金にご加入の場合は、ご存命中は一定の所得控除を受けることができます。

3、保険金には、相続時の控除制度があります。以下の計算式で非課税限度額がわかります。

     【500万円 × 法定相続人の数】 この金額以下なら非課税