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災害や事故、介護や相続など、人生には不測のトラブルや、避けられない困難が訪れます。とはいえ、気軽に聞ける弁護士や税理士が身近にいるとは限りません。専門的な知識を得ることで、冷静な判断で被害を減らしたり、計画的に備えたりすることができます。ジャーナリストとして長年さまざまな現場を取材しているファイナンシャルプランナーの鬼塚眞子さんに、暮らしに役立つ豆知識を聞きました。第5回は「終活に役立つ保険について」です。

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コロナ禍でお葬式もシンプルに

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、世代に関係なく、死亡保障の検討や見直し、新たに加入をされる方が急増しました。日頃、保険関係の取材や、所属している介護相続コンシェルジュ協会でお困りごとの相談を受けている中で実感しています。「まだまだ病気など無縁」と思っていた方が死を身近に感じ、特に「少額でいいから自分のお葬式代ぐらいは残しておきたい」と考え、女性の方の契約が急増した保険会社もあります。

では、最近のお葬式の傾向はどうでしょうか?

コロナ禍はお葬式の形態も大きく変えました。従来は家族や近親者以外に友人・知人などが参列する「一般葬」が主流でしたが、この2年は家族や近親者のみで執り行う「家族葬」を行わざるを得ない状況でした。

さらには、直葬(ちょくそう、じきそう)を選択される方も。直送とは、家族葬と違って、通夜や告別式を一切執り行わず、病院や自宅から直接ご遺体を火葬場に運んでお葬式をする形式です。

気になる費用ですが、一般財団法人日本消費者協会が「第11回 葬儀に関するアンケート調査報告書」(2016年8~9月に行った全国の葬儀に関する消費者調査の報告書)では、葬儀費用一式、返礼品・飲食接待費、御布施を含めた「葬儀費用の合計額」は1,957,000円と報告しています。

ただ、全国展開をしている葬儀社独自の調査では、一般葬の平均は約100万円というデータもあります。一方、家族葬は10名で約40万円からという葬儀社もあります。

直葬の場合、火葬場が公営か私営かによって費用が変わってきます。公営は無料もありますが、民営は数万円前後が主流のようです。火葬場までの霊柩車代や骨壺、死装束などの諸費用もかかり、約9万円とする葬儀社も。

いずれにせよ、地域性や参加者人数、葬儀社などによって、費用は大きく変わってきますが、今後はコロナが明けても家族葬が定着し、次回の「葬儀に関するアンケート調査報告書」の平均金額は下がっていると思います。