「金八先生」を代表する「人という字は」の名台詞。実はアドリブだったそうで…(写真:本社写真部)
10年にわたり、少年院で「命」にまつわる講演を行ってきたお笑いコンビTIMのゴルゴ松本さんが、俳優でタレントの武田鉄矢さんと対談。言葉にこだわり、人の心に寄り添ってきた二人が、変わってしまった日常を生き抜くヒントについて語り合います。今回は、ドラマ「3年B組金八先生」とゴルゴさんのギャグ「命」の裏話について。「金八先生」では「人という字は人と人とが支え合っている」という名台詞が有名ですが、実は15歳の子供たちの気を引くために武田さんが考えたアドリブだったそうで――。

「人という字は…」はアドリブだった?

ゴルゴ 武田さんには何度もお目にかかっていますが、「赤いきつねと緑のたぬき」のCMに、TIMが出させていただいたのが最初だったと思います。

武田 もう20年ぐらい前のことですね。

ゴルゴ 当時から僕にとって武田さんは、子どものころからテレビで見ているスターでした。「3年B組金八先生」の第1シリーズ(1979年10月〜80年3月)が放送されていたのは、僕が小学校6年生のころです。たのきんトリオ(田原俊彦、野村義男、近藤真彦)のお三方に、三原じゅん子さん、杉田かおるさんらが出演されていました。

特に「人という字は人と人とが支え合っている」という名台詞がとても印象に残っていますが、あのシーンはどのように生まれたのですか?

武田 たしか、アドリブだったと思います。

ゴルゴ え、アドリブだったんですか!

武田 当時いつも考えていたのは、飽きっぽい15歳の子どもたちが、黙って話を聞くような言葉、あるいは不良少年たちがギクッとする言葉は何だろう、ということでした。子どもたちが耳を傾けるような、分かりやすくて深い話をしなければいけないと思ったんです。これはもしかするとゴルゴさんが少年院で講演をするときも、同じような心境なんじゃないかな。