心のソーシャルディスタンスを心がけております

悲しいことですが、文化が途切れてしまっているんですね。そこに無理やり混ざろうとするから、不具合が生じるのです。

綾小路きみまろさん「控えめ。出すぎない。若者に混ざらない。これが重要」(写真:本社写真部)

昭和の時代は、おじいさん、おばあさん、お父さん、お母さん、そして子どもたちと、みんないっしょにテレビを見ていました。

テレビは一家に1台。自分の見たいアニメを、父ちゃんの野球中継のせいで見られなかった恨みやつらみはあったかもしれませんが、みんなが1つの話題を共有できた時代が、確かにあったのです。

しかし、今は一人ひとりが楽しむ時代。若い人たちは、ネットにつながっていれば、YouTube だけでOK、そんな文化なんです。

これは、今の若い人たちが悪い、という話では決してありません。中身は別の生物なんだから、無理に溶け込むほうが悪いということです。

若者に大事なことを教えようと熱を込めて話しても、説教にしか聞こえません。「このオヤジ、ウザいなあ……」と思われるばかり、大事な話は若者たちの左耳から右耳へ抜けていきます。

<お説教 感染力は コロナ以下>

混ざろうという努力は無駄なので、無理して混ざらなくてよいのです。もとより、水と油なんだから混ざりません。

私きみまろ、しっかり心のソーシャル・ディスタンスをとっておくよう、いつも心がけています。いいカッコをしようと、若者に必死に近付きすぎない。無理しない。それがいちばんですよ。