血管へのダメージが老化と病気を招く

女性ホルモンの最も大きな働きは、体内のコラーゲンを増やして、骨や関節、筋肉などをしなやかに保つこと。膣回りや子宮の筋肉がしなやかで、股関節も柔らかくないと妊娠・出産するときに困るでしょう。そのおかげで、一般的に、女性の体は男性に比べて柔軟性があるのです。

この働きが血管の健康を保つためにも大いに役立っています。血管壁もコラーゲンが支えているので、女性ホルモンがコラーゲンを補っている間は、血管はしなやかさを保てる。それが、コラーゲンが失われれば硬くなり、そのために血管がもろく切れやすくなったり、破れやすくなったりするのです。

血管がもろくなると、男性の場合は、動脈や静脈などの大きな血管が裂けたり硬化したりしますが、女性の場合は毛細血管などの微小血管からダメージが生じます。

全身の血管の90%を占める微小血管の血流が悪くなり、流れが滞ると、手足が冷えたり、肌がガサガサに荒れたり、老化が一気に進むのです。

なぜなら、血液は私たちの体のすみずみまで栄養素を運ぶとともに、老廃物を回収してくれているから。微小血管の血流が衰えてその循環がスムーズに行われなくなると、全身の代謝が悪くなり、さまざまな生活習慣病を引き起こします。