まもなく終わろうとしている2021年。それは、2020年から続く新型コロナウイルスの流行に翻弄され続けた1年だったのかもしれません。そんな今年を漫画家でコラムニストの辛酸なめ子さんに「キーワード」を交えて振り返ってもらいつつ、2022年について予想をしてもらいました。
新型コロナウイルス流行で生まれた「キーワード」の数々
2020年、新型コロナウイルスが世界で流行し、人々の生活様式や価値観に大きな変化が生まれました。
それまで世の中に存在しなかった「三密」という言葉が流行語になり、「ステイホーム」「ソーシャルディスタンス」「リモート」といったニューノーマルも生まれました。マスクが高騰し、トイレットペーパーや食料が買い占められ、「自粛警察」や「マスク警察」などが出動、緊急事態で人々の平常心は失われていきました。
2020年以前は、誰もが気楽に集まり、飲食して騒いだり笑ったりしていましたが、コロナ禍では改めて「飛沫」の脅威に気付かされました。
日本が誇るスーパーコンピューター「富岳」が飛沫の計算ばかりしていた印象で切ないですが、これまでの社交やコミュニケーションでは、「飛沫」を飛ばしまくり、交わし合っていたことが判明。日本人の衛生観念がますます高まりました。
時事ワードとして「お尻日光浴」「クイーン来日」あたりまでは平和でしたが、「マスク不足」「在宅ディズニー」「手洗い動画」「アマビエ」といったコロナ関連の話題が次々と登場。「地球外生命体」「最も近いブラックホール」といった宇宙系のトピックで少し現実逃避。上皇陛下は淡々と「新種のハゼ」を発見されている、というニュースに心癒やされました。