テーブルごとにスタッフが出すゲームに挑戦。工夫しながら楽しんでいる
新守山駅近くの静かな住宅街にある「デイサービスたまや」。平均13名が利用する小規模デイサービスだが、利用者は「通うのが楽しみで仕方ない」と目を輝かせる。その秘密がスタッフが作る脳トレ問題。利用者だけでなく、その家族やスタッフたちをも夢中にさせている脳トレ問題はどのように生まれたのだろうか(撮影=田原由紀子)

なつかしくアットホームな「デイサービスたまや」

JR名古屋駅から中央本線で15分。新守山駅から徒歩5分の静かな住宅街に、「デイサービスたまや」はある。

デイサービスとは、介護保険サービスで受けられる「通所介護」の通称。利用者は施設に居住せず、自宅で生活しながら日帰りで通い、食事や入浴、体操などのサービスを受けられる。

たまやは1日に平均13名が利用する小規模デイサービスだ。週1回だけの人もいれば、毎日通う人もいる。車椅子が必要な人は対象外で、平均すると要介護2程度の、70代から90代が利用。アルツハイマー型認知症を患っている人も多いという。

倉庫を改装した2階建ての施設のドアを開けると、何やらにぎやかな声が聞こえてきた。壁は昭和のスターのポスターで埋め尽くされ、大型液晶テレビの画面では美空ひばりの歌う姿が見られる。利用者たちの青春時代を思い出させる、なつかしくアットホームな空間だ。

訪問した午後1時は、ちょうど昼食が終わったばかり。利用者たちはグループごとにテーブルを囲んで、ゲームに興じていた。

「脳トレ問題だけでなく、ゲームも手作りしているんですよ。テーブルいっぱいに広がるようにすると、利用者さん同士が一緒に楽しめるので大きさも工夫して。8人のスタッフみんなで意見を出し合いながら作っています」と話すのは、たまや代表の小野寺亨子さん。