もはやライフワーク

「店頭で試した時は良かったのに、自宅で寝てみたら合わなかったという商品ってありますよね。人にあげたり処分したりで、結構お金をムダにしました。肌触りや重さは実際に使ってみないとわからない。

なので5万円までという上限を決めて、数年に一度の在庫一掃セールやメーカー創業祭など、安くなるタイミングで購入しました。一番参考になったのは旅行に行った先の宿の寝具です」

難しかったのは枕。これまでに8個は替えて、10万円は使ったという。しかし枕探しは意外な結末を迎えた。ある時友人と泊まったオーベルジュの枕がピッタリ合ったので、どこのブランドか聞くと、1000円台で買えるニトリのものだと言われたそう。帰宅したマホさんが、すぐにニトリへ走ったのは言うまでもない。

現在は、5年前にホテルで体験して気に入った30万円のシモンズのベッドと、ニトリの枕で寝ているマホさん。掛布団やカバーも厳選したものを使っているため、現状に不満はないという。けれど、最上の寝心地への探求心は変わらずにあって――。

「今も時々布団店を巡っています。もはやライフワークですね。でもほかにお金を使っているわけじゃないし、何より健康に直結するものなので、とことんこだわっていきたいと思っています」

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今回取材した4人の女性は皆、それぞれが元気に暮らすためにお金をかけている。きっかけは自身のウィークポイントをカバーしたいという思いだ。人生100年時代。一点豪華主義で自身の健康に投資するのもいいかもしれない。


《ルポ》ハツラツな人のお金のかけ方
【1】ブラシ2万円、ドライヤー7万円。手間とお金で髪を維持する57歳
【2】月2のゴルフ、週1の乗馬で腰痛と肩こりから解放された59歳
【3】7万円ブレンダー製スムージーにアマニ油を。食にこだわる60歳
【4】快眠求め布団店巡り。30万円ベッドとニトリの枕に辿りついた50歳