女優の三田佳子さんと脚本家の中園ミホさん(撮影:天日恵美子)
ドラマ『緊急取調室』や『Doctor-X 外科医・大門未知子』に出演、第一線で活躍を続ける女優の三田佳子さん。代表作に『やまとなでしこ』『ハケンの品格』などがある脚本家の中園ミホさん。お二人が語る人生の山や谷を乗り越え、「災い転じて福となす」極意とは(構成=山田真理 撮影=天日恵美子)

三田佳子×中園ミホ「おばあさん役を息子に愚痴りながらも、徹底的に役作り。頚椎硬膜外膿瘍、子宮体がん…病や家族の試練とも逃げずに向き合って」〈前編〉よりつづく

食事は運気のバロメーター

中園 自然の流れにまかせるというお話がありましたが、何か大きな決断をする時に、「自分が心地いい」と思うほうを選べば正解だとも考えているんです。たとえば私は34歳で未婚の母になったのですが、ちょうど連続ドラマの仕事が決まったタイミングで、そのうえこの先も結婚できない相手だったこともあり、産むかどうか三日三晩家にこもって考えました。

三田 それは悩んで当然だと思いますよ。

中園 最初の2日間は産まないことを考えていたのですが、その間はご飯がまずくて何も食べられませんでした。ところが3日目、試しに「産もうかな」と考えてみたら、急にお腹がグーッと鳴って。(笑)

三田 あらすごい!

中園 お米を炊いて食べたら、すっごく美味しかったんです。それで「この選択が正解」と確信が持てた。もちろん産んでからも大変でしたし、周りにも迷惑をかけましたが、息子を産んだことは人生で最良の選択だったと思います。