白浜生まれのパンダファミリーは「浜家」

最初にAWに来たのは雄の永明(エイメイ)と、雌の蓉浜(ヨウヒン)のペアです。1997年の蓉浜の死後、2000年に来日した雌の梅梅(メイメイ)は同年9月に良浜(ラウヒン)を出産し、その後、永明との間に6頭の子をもうけました。

平均台をぶらーんと。楽しそうですね

永明と、梅梅の娘・良浜の間に楓浜を含めて10頭が誕生。AWは計17頭の繁殖と成育に成功し、このうち11頭が中国に旅立って、新たな子孫を増やしています。AWでは、親子が一緒に過ごす時間を長くすることで、将来の繁殖に良い影響があると考えており、特に雄は成長した際に繁殖がうまくいくという成果が出ています。

2022年1月現在、日本国内で飼育されているパンダは13頭。このうちAWでは最多の7頭が暮らしています。中国で、白浜生まれのパンダファミリーは「浜家(はまけ)」と呼ばれて親しまれているのです。

新型コロナが終息して、多くの人が心置きなく和歌山県白浜町のパンダファミリーに会いに来られるような日が訪れることを切に願っています。

春の暖かい日差しを浴びています

*本稿は『パンダダイアリー』(読売新聞大阪本社)の一部を抜粋・再構成したものです