忙しい人ほど筆まめ

私がちょうだいするのは絵葉書が多かったように思います。つまり、文字を書くスペースはとても少ないので時候の挨拶は省略。クセのある字で、もっともお伝えになりたいことだけを1行か2行だけ記し、お名前と小さな判が押してあるものでした。筆記具には万年筆やサインペンが使用されていたと記憶します。

実は私は、子供の頃から、たいそう筆まめでした。ラジオの深夜放送のハガキ職人でもありましたから、勉強もそっちのけで、家でも授業中でも、しょっちゅうハガキや手紙を書いていました。

小学生時代に流行っていた「お話ノート」も、親友と中高の6年間やっていた「交換日記」も、友人から頼まれて「ラブレターの代筆」などにも熱心でした。

それが何かのきっかけになって道が拓いたこともありましたし、熱のこもった文章は、結果が伴わなかったとしても、相手には確実に伝わったと思われます。

忙しい人ほど筆まめなのだと大人になってから知りました。たとえば黒柳徹子さんは、思い立ったら、すぐに書きたい…ということで、飲食店で箸袋にしたためたとのこと。それをスタッフさんが封筒に入れて投函していたのでしょう。海外住まいの御友人ともお手紙を交換していらしたとも聞きました。

文筆業の方では、作家の林真理子さんや脚本家の内館牧子さんも筆まめでいらっしゃり、いつも頭が下がります。

美容関係の実業家、君島十和子さんや山口眞未子さんのように、イニシャル入りの便せんや封筒、かわいらしいシールなどを駆使し、キチンとした文面のお手紙をくださる方も心から尊敬してしまいます。