まちと共に生きる -美しい城下町を訪ねて-

上、石畳の通りの写真。左下金屋町発祥の高岡鋳物、「鋳物工房 利三郎」の写真。右下、山町筋に立つ菅野家住宅の写真

上 ドヨウダケなどの生け垣、安芸川の石や古瓦を土で固めた練り塀に囲まれた土居廓中。自然石を使った側溝も昔のまま。

左下 市のシンボル、野良時計は明治20(1887)年頃に作られた。登録有形文化財。

右下 安芸沖でとれた新鮮なちりめんじゃこをふんだんに使った釜あげちりめん丼。

市民の手で景観に磨きをかける・新潟県村上市

安芸(あき)市は、高知県東部に位置する風光明媚なまちだ。南は太平洋に面し暖かく、自然の恵みが存分に感じられる。戦国時代末期までは豪族の安芸氏が代々領地としていた。関ヶ原の合戦後、山内一豊が土佐に入国。この地に配された 重臣・五藤(ごとう)為重(ためしげ)は、鎌倉時代に築かれた安芸城を安芸土居(どい)と改称して、まちを整備・発展させた。その当時の風情を色濃く残しているのが土居廓中(かちゅう)だ。武家屋敷が集まっていた一帯で、通りには今も生け垣や練り塀が続き、国の「重要伝統的建造物群保存地区」に選定されている。

そんな土居廓中の安芸城跡の目の前で育った岡松治彦さん(63歳)は、「子どもの頃は、通りや城山もあまり整備されておらず、よく《たつくり》ました(土佐弁で「駆けずり回った」の意)」と笑う。城山の道なき道を行き、木に登り、基地を作って遊んだ。岡松さんの祖父母は安芸城跡にある五藤家の敷地内に住んでいたのだが、子どもの頃はそんな歴史的なまちの暮らしを特別だと思ってはいなかったという。

「大人になり、かつて荒らし回ったことを反省しました(笑)。土居は静かでゆったりと時が流れていて、歴史と文化を大切にする人々の思いが形になっている特別な場所です」

ほかの写真

山町筋の老舗菓子店大野屋の「高岡ラムネ」は、伝統的な和菓子の技術を生かした新しい味。 金屋町の民家の軒先には、季節を問わず、高岡銅器の風鈴がつるされ優しい音色を奏でている。 鋳物の町を象徴する青銅製の「高岡大仏」。地元の銅器製造技術の粋を集め、1933年に完成した。

インフォメーション

●交通:土居廓中へは、土佐くろしお鉄道安芸駅より車で約5分。
●お問い合わせ先:安芸市商工観光水産課
TEL 0887-35-1011

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