ケアマネージャーとの相性は大切
介護は「ケアマネージャーに始まり、ケアマネージャーで終わる」と言われるぐらい、ケアマネージャーの力量やホスピタリティで、受けられるケアに大きな差が出ます。地方にも、全国レベルの知識やスキルを身につけたいと勉強熱心なケアマネージャ-はたくさんいます。新しい福祉用具の情報の収集に余念がないと人もいれば、杖、ベッド、トイレ、車椅子以外の福祉用具の情報は不要、という人もいます。
筆者の出会ったケアマネージャーの中には、「遠距離介護ですか? 仕事をやめてこそ本気の介護です」と言い切った人もいます。しかし、厚労省は仕事と介護の両立できる社会の実現を目指すために、時間外業務の制限などさまざまな対策を立て、企業にも理解を求めて総合的に推進しています。また、「親を自分で看たい」と勢いで会社を辞めたため、経済的に困窮した方もいました。
子どもが遠距離介護をしている場合、ケアマネージャーがいかに子どもの生活や仕事を理解してくれるかが、鍵となります。
本人はもちろん、親族も、ケアマネージャーに何かと御世話になったり、相談にのってもらうことが多いため、お互いの相性は大切です。その上で、どんな風に勉強をしているか、情報収集はどうしているか、どんな思いで仕事をしているかなどを確認してみるといいでしょう。
「在宅介護」+「デイサービス」という混合型もあります。「デイサービス」とは週に1回以上、通所施設で朝から夕方まで過すものです。どこの施設でも、到着後、バイタル(体温、血圧、脈拍)をチェックします。その後、体操や各種レクリエーション、入浴や食事などをします。施設によってどんなレクリエーションを行うかは違います。また、リハビリに力を入れる施設もでてきました。
通所回数や曜日に関しては本人や親族の意見を聞きながら、ケアマネージャーがプランを立てて決定します。
デイサービスには、介護5(介護進行度が一番進んだ状態)や、看護士や一定の条件をクリアした介護士がケアできる胃ろう(腹部に穴を開け、チューブを通し、胃に直接食べ物を流し込む)までOKなところもあります。
最後まで家族で介護をしたいと思っても、胃ろうの状態になると入院させるしかないと思う方も多いようです。でも、週に5回、デイサービスで胃ろうのケアをしてもらっているケースも。
あるご家族は、日中は仕事をしていて、帰宅後は力を合わせて介護をしています。毎月の費用約20万円は、本人の年金ではまかない切れず、一人で負担するには高額であることから、同居していない親族で按分しながら介護を続けています。