「2022年は、転機の年になる予感がしています。」(撮影=浅井佳代子)
現在発売中の『婦人公論』2022年3月号の表紙は、女優の松坂慶子さんです。ドラマの役のために、撮影の合間を縫って茶道、三味線、京舞のお稽古に通ったという松坂さん。撮影が終わっても継続することにした理由とは――。本誌から、特別に記事を先行公開いたします。(撮影=浅井佳代子 構成=篠藤ゆり)

茶道、三味線、京舞のお稽古に通い詰めて

2022年は、転機の年になる予感がしています。今年公開される作品との出会いのおかげかもしれません。今回、素晴らしい皆さんと、ものづくりをする機会に恵まれました。

是枝裕和監督のドラマ『舞妓さんちのまかないさん』では、祇園で何代も続く「屋形」の、先代のおかあさん役を演じています。

去年の秋から2ヵ月の間、京都での撮影の合間を縫い、舞妓になるための仕込みさんのように茶道、三味線、京舞のお稽古に通い詰めて(笑)。祇園のおかあさんや芸妓の皆さんにもたくさん教えていただき、感謝しています。

京舞の人間国宝・井上八千代先生の稽古場に伺う機会もありました。実際に芸妓さんや舞妓さんがいらしていましたが、皆さん日中はお稽古を欠かさないんですね。花街の奥深さを実感しましたし、ピシッとした稽古場の雰囲気に身が引き締まる思いでした。