臨機応変な判断をしてくれた先輩ディレクター
また、技術スタッフ面でも、スイッチングは「『ぷっ』すま」でお世話になった先輩の白野ディレクターにお願いしました。
こうした生放送・生配信では、「今、映すべきものはなにか」をリアルタイムで判断し、良い画にバシバシ切り替えてもらわなければなりません。
本来、その「判断」は演出責任者である僕の仕事ですが、僕は僕で江頭さんのそばでカメラを回す役目があり、そのジャッジができません。そのため、スイッチングは先輩ディレクターにお願いすることに。
その事前打ち合わせで僕は、「花火が打ち上がったあとは、基本的に花火と大熊さんだけを配信画面に映してください。江頭さんは後日アップするダイジェスト版で見せるからいいです」と、本番では花火メインで、江頭さん側のカメラはほとんど映さないでいいという基準でスイッチングを頼んでいました。
ところが本番が始まると、中継モニターに映る江頭さんの必死に点火する姿がとてもカッコ良かった。そして、その周りで「江頭さんこっち!」と叫んで指示している僕らスタッフとのやりとりも臨場感が伝わって面白いからと、先輩ディレクターは臨機応変な独自判断で、配信画面に江頭さんの姿をバンバン映し、事前の打ち合わせどおりではなく、どんどん自由に、切り替えてくれました。
結果的にこれは、本当に素晴らしい判断となりました。
ちょっと話がそれますが、なにかチームを作るとき、ついつい後輩や年下のスタッフで周りを固めがち。きっとそのほうが、気をつかわず、気楽に物事を進められます。
でも、僕はいつも、大事な仕事では近くに「自分よりもベテラン」という頼れる人にいていただくようにしています。先輩だからこそ、僕に遠慮せず意見やアイデアを言ってくれますし、もし僕が間違っていたら訂正してくれます。
今回の生配信のようなその場で瞬時の判断が必要な場面でも、先輩ディレクターは「藤野はこう言っていたけど、こっちのほうがいいからやっちゃえ!」と、経験に裏打ちされた“勝手でベストな判断”をしてくれました。