結婚後は北海道に住んでいましたが、3年目に夫が東京に転勤となり、夫の実家近くで暮らすことに。10月に引っ越してまもなく、一緒に食事をしました。「親戚に出す転居通知は、年賀状と一緒でいいよね」と、食卓で夫が口にしたら、義父がテーブルを力いっぱい叩き、「何て礼儀知らずなんだ! オレはもう知らないぞ!」と叫びます。

あまりの剣幕に声も出ませんでしたが、夫は「はいはい出しますよ」と返事。何ごともなかったかのようにすき焼きを平らげます。このやり取りに、「イヤだなぁ。怖いなぁ」と思いながらも、何とか仲良く波風を立てずにおつき合いしよう、と努力していました。

翌年の1月、義母から電話があって、義父が寝室に火鉢を持ち込んだまま寝入ってしまい、練炭による一酸化炭素中毒で倒れて病院に搬送された、と言います。慌てて夫と義姉夫婦と病院に駆けつけました。

幸いにもすぐに意識を取り戻した義父は、「みんなに心配かけちゃったな。これからはおとなしくするよ……」としょんぼり。私は心からそう願いました。義父はビルを所有しており、退院後のリハビリ期間は、夫がビルの管理を手伝うことに。

しかしそのうち義父は「お前の金銭のやりくりが心配で、夜も眠れない」「もうお前はかかわるな!」と、突然怒り出したのです。毎日欠かさず通院の送迎をして、自分の仕事の合間をぬって、雑事を手伝ってきた夫に対して。

さすがに夫は、「もう我慢できない。病人だから仕方ないと思って手伝ってきたけど、勝手にしろ」と言い放ち、数日後には会社に転勤願を出して、1ヵ月後に再び北海道に引っ越すことになったのです。義父からは電話の一本はもちろん、謝罪の言葉などありません。