100年時代は二毛作でいきましょう
では自立して生きるとはどういうことなのかといえば、それは役割を持って生きるということです。近い将来、人は80歳くらいまで働くようになるだろうと私は考えていますし、実際、年金を受給しながら何らかの仕事を持っている読者も多いようですね。この「働く」は収入を得るための仕事に限らず、ボランティアといった無報酬のものも含みます。
「おばあちゃんのちらし寿司が大好きだから、今日つくって」と家族にせがまれてキッチンに立つといったことでもいいのです。小さなことであっても「ありがとう」と言われることが、その人の幸福度に大きく貢献するだろうと思います。
アンケートを見ても、夫に先立たれた人の回答からは、単に寂しいというだけでなく、夫の世話をする役割がなくなって途方に暮れているといった感じも伝わってきました。そういう人は、夫の世話に代わる次なる役割を探すことを、今後のテーマにされるといいかもしれません。
人生60年時代だった頃は定年後は余生であり、その時間はさほど長くはなかった。孫と遊びながら盆栽や庭いじりでもしていれば、人生が終わっていたことでしょう。でも100年時代に突入したいま、定年後は40年近くもあります。そのうえ昨今の高齢者は若々しく、体力も充実していますから、セカンドライフをどうデザインするかがその幸福度につながるわけです。
だから、100年時代は二毛作で。「人生をデザインする」と言うと、難しいことのように聞こえるかもしれませんが、ご近所さんやママ友、職場やボランティア、稽古事など、さまざまな場面で人間関係を構築してきた女性にとって、これはさほど難しいことではないのです。