気の合う他人との交流がより大切に
私はよく、「働く」「学ぶ」「遊ぶ」「休む」の4つの要素を、そのときどきの健康状態や家庭の事情に応じて、うまく調整しながら設計していくといいですよ、とお伝えしています。たとえば、体力に自信があったり、まだある程度の収入が必要だったりすれば「働く」「学ぶ」を多めに、80代になったら徐々に「遊ぶ」や「休む」を増やしてもいいかもしれない。
仕事をしていた方は、ファーストライフはリセットして新しい職種に就くのも一案。いまは労働力が不足していて、シニア世代向けに「2時間だけ働いてほしい」といった経営側からのニーズも少なくありません。
仕事に限らず、趣味を極めてもいいでしょう。夫の死後を自分のセカンドライフと考えて、新たな恋愛をするのも私はアリだと思います。新たなパートナーを得て幸せを感じている読者の姿は、印象的ですね。ただ私の周囲の人に限って言えば、「夫との死別後は、ひとりの時間を楽しみたい」という意見がほとんどですが。(笑)
先ほど、「人とつながっていることが人の幸福度を左右する」とお話ししました。これはとても重要なことです。
もちろん、相手は誰でもいいわけではありません。多くの人が必要とするのは、信頼して何でも打ち明けることのできる人。そして、共通の趣味などを通じた活動が一緒にできる人。必ずしも、同じ人が両方の役割を担っている必要はないでしょう。
3年前、98歳で他界した私の母世代の人間関係といえば、親族が中心でした。しかし核家族化した現代では、気の合う他人との交流がより大切になります。離れた場所に住む人にはだんだん会いにくくなるものですし、マンションの住民同士、近い場所でのつながりを楽しんでいる人の回答もありましたね。