人間関係は難しい。とりわけ女性同士は、なぜこうもややこしいのか……。一度はそう思ったことがある人も多いのでは? 切りたくても切れない関係だから、余計ストレスが。そんな悩みに精神科医がお答えします。人間関係は難しい。とりわけ女性同士は、なぜこうもややこしいのか……。一度はそう思ったことがある人も多いのでは? 『女子の人間関係』などの著書がある精神科医の水島広子さんに、女性特有の人づきあいの傾向と対策をうかがいました。第3回は第2回に引き続き、読者のお悩みへの回答。噂好きの隣人や、調子の良い義妹との上手な距離の取り方を指南してもらいます
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Case3 〈ご近所〉いない人の悪口しか言わない
質 問
私の住むマンションには昔からの住人が多く、そのなかにCさんというリーダー的存在の女性がいます。いつも4、5人で集まっては噂話を楽しんでいるよう。
私も通りすがりに呼び止められたことがあるのですが、そこにいない人の悪口しか言っておらず、同意を求められて困りました。きっと、私の悪口も言われているのでしょう……。
行動を監視されているようで、不愉快です。同じマンションだからつきあわないわけにもいかない。歳も歳なので引っ越しをすることは現実的ではありません。来年は、当番制の管理組合の役員が私に回ってくるので、いまから憂鬱です。
(相談者・65歳)
(相談者・65歳)
回 答
陰口や噂話は、女性が集団の中で「形ばかりのつながり」を保つためのツール。面と向かって告げる悪口とは違い、相手から反論されない安全なところで陰口を楽しむ人は、どんなコミュニティにもいるものです。
もちろん、あなた自身の噂話が囁かれているのも間違いないでしょう。言論の自由・内心の自由がありますから、Cさんたちが陰口を楽しむのを禁ずることはできません。
「そういう趣味の人もいるわよね」と心の中で距離を置き、巻き込まれないようにするのが一番です。
とはいえ、「私は陰口に加担しません」と孤高を保つのもエネルギーが必要ですし、自分が攻撃の対象になるのもストレスがたまります。
否応なく誰かの陰口が始まったら、「そんなことがあったの?」「大変だったわね」と“出来事”に対する相槌を打つにとどめ、個人については何も言わないのがコツ。あるいは、話をを一般化して、個人攻撃をしないのもスマートな対処法です。