人間関係は難しい。とりわけ女性同士は、なぜこうもややこしいのか……。一度はそう思ったことがある人も多いのでは? 『女子の人間関係』などの著書がある精神科医の水島広子さんに、女性特有の人づきあいの傾向と対策をうかがいました。第2回は読者のお悩みに回答。困った友人や、付き合いづらい同僚との上手な距離の取り方を指南してもらいます
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Case1 〈友人〉いちいち“上から目線”で言ってくる
お悩み
高校時代からの友人Aは、物事をハキハキと言うタイプ。ただ、歳を重ねるにつれ、「こうしたほうがいい。こうするべき」などと、私に意見するようになってきました。
結婚、出産、育児など、すべて私より先に経験してきたので、よかれと思って言っているようなのですが、Aと私は置かれている状況も立場も違います。なんでこの歳になってまで、いちいち“上から目線”で言われなければならないのか。
月に1度は会ってお茶をするのですが、今後どうすべきかと思い始めています。ただ、数少ない昔からの友人。すっぱり縁を切るのは抵抗があります。
(相談者・52歳)
(相談者・52歳)
回 答
これは、典型的な「お母さん・お姉さん病」。自分と相手の領域の区別がうまくつけられず、よかれと思って意見を押しつけたり、勝手な決めつけをしたりする現象です。
特にAさんは長年の友人であるあなたのことを「誰よりも理解している」と思ってしまっている。さらに結婚や出産が先だったこともあり、「あなたより人生をわかっている」とも考えている。
こうした「女度の高い」タイプの女性は、自分が否定されたと感じると、相手を敵とみなして攻撃的になる傾向があります。距離を置く場合も、「お節介は聞きたくない」など、本心を伝える必要はありません。「最近忙しくて」と適当な理由をつけて、会う回数を減らしていくほうがいいのでは。
また、相手を刺激しないで上手に距離を置くには、「あなたの好意は受け止めていますよ」とさりげなくアピールするのがポイント。
年賀状やバースデーカードに、「この間は会えなくて残念だったけど、落ちついたらぜひ」と、一筆添えておくといいでしょう。