視界が揺れないのは当たり前?

あなたは、今これを読んで「ウンウン」とうなずいたかもしれない。だが、その頭の動きに合わせて、あなたの視界が上下に揺れることはない。

ところが、スマートフォンのカメラを目の前に構え、走りながら動画を撮影してみればどうだろうか。収められる映像は大きく揺れ動き、視聴に耐えるものではないはずだ。

私たちの視界と、カメラが収める映像の違いは何なのだろうか。そう考えると、一つの真実が見えてくる。私たちの体には、「視界が揺れないための精巧なシステム」が備わっているということだ。

もう一つ、例をあげよう。
汚い話で恐縮だが、私たちが「おならができる」のは、肛門に近づいてきた物体が固体か液体か気体かを瞬時に見分け、「気体であるときのみ排出する」という機能を持っているからである。

「固体のみを体内に残し、気体だけを排出する」という芸当もできる。恐ろしく緻密なしくみである。このようなシステムは、とても人工的にはつくれない。

私たちの肛門は、おならと大便を識別できる。一見すると当たり前のようだが、これは私たちが社会生活を送る上で大切な能力だ。