そういうふうに考えられるようになったのは本当に最近のこと。特に2019年2月の結婚は大きな転機となりました。
私は、もともと感情をコントロールすることが苦手で、家族や友人など近しい人からは「一日の中に四季があるね」と言われるくらい、アップダウンの激しい気性の持ち主。思ったことをすぐに口にしてしまい、あとになって反省することもしょっちゅうでした。よく言えば素直、悪く言えば扱いづらい人間ですね。
夫は、そんな私が一緒にいて唯一ラクだと思える相手です。私がワーッと何か言っても「そういう考え方もあるんだねえ」で終わってしまうため、ケンカにもなりません。それどころか向こうにとっては、私のそういった“瞬間湯沸かし器”のような性格が面白いみたいで(笑)。結局、ご縁があったということなのでしょうね。
そして、考え方の違う相手と一緒にいることで、いろいろな価値観を受け入れられるようになりました。私が思う正義だけが正義ではないし、私の常識が他の人の常識とも限らない。これだけの数の人間がいるわけですから、考え方だって一人一人違って当然なんですよね。
その「グレーゾーン」を受け入れられるようになってから、演技がより面白くなりました。人の心は白黒つけられないことばかり。複雑な心情をどうやったら表現できるか、日々勉強中です。
AKB卒業後は燃え尽き症候群に
もうひとつ、私と雪平刑事が似ている部分は完璧主義なところ。特にアイドル時代はわき目も振らず、突っ走っていました。
私がAKB48の初期メンバーとして、デビューしたのは2006年。地元・福岡の高校を卒業し、専門学校へ通ってからのデビューだったので、アイドルとしては遅いスタートだったと思います。「芸能界に入って、モデルの仕事とタレント活動をしたい」という夢を胸に、AKB48の第1期メンバー募集のオーディションを受けたのですが、デビューまでのいきさつは少々イレギュラーなものでした。