撮影:須藤夕子
19年2月、女優の篠田麻里子さんが出会って2週間で3歳年下の一般男性と電撃結婚に踏み切りました。AKB48時代は“恋愛禁止”だった篠田さん。結婚を機にいろいろな価値観を受け入れられるようになったと言います。私生活だけでなく演技にも影響があったそうで──(構成=上田恵子 撮影=須藤夕子)

白黒つけずグレーでもいい

AKB48を卒業して6年が経ちました。今はドラマや舞台の仕事を中心に頑張っていますが、実はもともとタレントになりたかった私にとって、お芝居は一番苦手な分野だったんです。

でも、AKB48を卒業してから自発的にレッスンを受けたり、ワークショップに参加したりするうち、苦手意識が徐々に薄れ、演技をすることが楽しくなってきました。単にセリフの字面を追いかけるのではなく、もし私だったらどうだろうと自分の身に置き換えて演じることで、現実とは別の、さまざまな人生を生きられる。お芝居の世界って、本当に面白いなあと今は思います。

最近で印象に残っている役は、NHKドラマ『ミストレス~女たちの秘密~』で演じた須藤玲という女性。女性を愛するレズビアンという役どころは難しかったですが、現在は恋愛や結婚の形も多様化している時代。できるだけ自然に見えるよう、心がけながら演じました。

また、ここへきて舞台のお稽古も佳境に入ってきました。6月後半に控えているのは、「刑事 雪平夏見」シリーズの舞台化第2弾となる『殺してもいい命』。警察を舞台に繰り広げられる、さまざまな人間模様を描いたヒューマンドラマで、あらためて命の重さについて考えさせられるストーリーです。毎日当たり前に過ごしている日常が、実はものすごい幸運の上に成り立っているのだということに気づかされる作品でもあります。

私は前回の『アンフェアな月』に続き、主役の雪平夏見を演じます。彼女はバツイチのシングルマザーで、警視庁捜査一課に所属する検挙率ナンバーワンの刑事。正義感が強くまっすぐな女性です。

雪平刑事は、警察という男社会の中で生きる女性の強さと、時折見せる母性本能とのギャップがとても魅力的。物事を曖昧なまま見過ごせない彼女は、間違いなく生きづらいタイプだと思うのですが、自分にも通じるところがあるので親近感を覚えます。

私自身、これまで何事に対しても「白か黒か」で判断して、その間にあるグレーを許せない人間だったのですが、最近、「グレーでもいいじゃない?」と考えられるようになってきました。