〈原因〉脳内のメカニズムの障害で起こる

うつ病は《リズムの病気》。リズムが普段と違った時に発症すると考えられています。たとえば、「会社で課長になって残業が月に100時間を超えた」「引っ越し作業が大変なうえに、転居して周囲が知らない人ばかりになった」など、原因はさまざまです。

ストレスや性格が関係する《心の病》では、脳内のメカニズムに障害が起きているとも考えられています。最有力なのが「モノアミン仮説」。モノアミンとは脳内の神経伝達物質のノルアドレナリン、セロトニン、ドーパミンなどの総称です。神経細胞はすべてシナプスと呼ばれる接合部で結ばれ、そこで神経伝達物質をやり取りすることで情報を伝えています。モノアミンの中でうつ病に深く関係するのがノルアドレナリンとセロトニン。うつ病はそれらが何らかの原因で不足するために起きると考えられます。

神経細胞からシナプスを通して神経伝達物質が別の神経細胞に受け渡され、情報が伝達される。伝達を終えた神経伝達物質は、再び取り込まれる。抗うつ薬は、再取り込み口をふさぐ働きをする