〈治療〉投薬は慎重に。多剤併用を避ける

2014年4月から保険適用となっている「光トポグラフィー検査」。これは、近赤外線を大脳皮質に照射し、脳の血流状態をグラフ化することで精神疾患を客観的に診断するもの。これによって、うつ病と双極性障害がより正確に鑑別できるようになりました。検査は準備も含めて20分くらいで終了。うつ病と診断されたのに、治療が3~5年と長期化している場合は、検査を受けてみるとよいでしょう。

正しく診断がつくと治療に移行。「休養」「薬物療法」「精神療法」です。とりわけ休養と薬物療法が両輪です。休養とは家でゴロゴロするのではなく、規則正しい生活のこと。朝早く起きて朝日を浴び、3食規則正しく食べて適度な運動をし、7時間は睡眠をとる。薬物療法の中心は「抗うつ薬」です。「SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)」「SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)」などがあり、とりわけSSRIが最も多く使われています。SSRIは副作用が少ないとはいえ、少量からスタートして状態をチェックしながら適用量を決めます。副作用で「攻撃性」が出ることもあるからです。多剤併用にならないよう的確に薬を使うのがポイント。ごく軽症の場合には漢方薬が使われる場合もあります。そして、病状が回復に向かっていく段階で、精神療法のカウンセリングが勧められます。

前頭葉・側頭葉での言語課題による血流の変化を近赤外線で測定することで、うつ病・統合失調症・双極性障害の鑑別診断を行うことができる。健常者は検査中に脳の血流が上がるが、うつ病の患者には変化が見られない(図版提供◎渡部先生)