経済ジャーナリストの荻原博子さんが、お金に関するお得な情報をわかりやすく解説する新連載「トクする!荻原博子のマネーNEWS」。今回は年金の減額と家計のスリム化についてです(イラスト:さかがわ成美)

2年連続で年金が減額!

年金支給額が、減っています。

2022年4月から支給される年金が、前年度に比べて0.4%減ります。前年度も0.1%減っているので、2年続けての減額です。

年金は、04年に「100年安心」といわれる制度設計にしました。まず、60歳までに支払う保険料率を、厚生年金は18.3%(労使折半)まで、国民年金は月額1万6900円まで段階的に引き上げることを決めました。それと同時に、物価が上昇したら年金を実質的にカットする「マクロ経済スライド」を導入。

これにより、物価が上がってもその上昇率ほど年金額は上がらなくなるものの、減ることもないはずでした。

ところが、この「100年安心」の制度は12年で崩壊。そこで16年に行われた年金改革では、「物価が上がっても、働く人の賃金が下がっていたら、支給される年金額も下げる」ということになりました。

その結果、21年度も前年度に続きコロナの影響により働く人の給料が下がったので、2年連続で年金支給額も減額された、というわけです。