環境をかえられたのは教育のおかげ
中村 日本とアフリカの交流について、具体的に何をしようと思われますか。
MISIA 子どもたちの現状を知った時に、一番希望がある場所が学校だったんですね。文字が読めず、薬と間違えて毒を飲んで亡くなってしまった人もいますし、同じ理由で危険地域に入ってしまったとか、必要な書類を申請することができなかったり、戸籍がない人もいる。
だから文字を学ぶというだけでも未来が開ける。それに学校は、子どもが身の危険を感じた時に逃げ込める場所。あと、一日一食も食べられない子どもにとって、給食があることは安心感にがる。その大切さに改めて気づかされて、教育をサポートすることから始めようと思いました。
中村 どんなふうにサポートしているんですか。
MISIA たとえばライブ会場などでグッズを売り、それを給食費にあてたりとか、あとはセカンダリースクールと言って、日本でいう中学・高校への支援ですね。ケニアは初等教育は無償ですけど、高校はお金がかかる。進学する子たちをサポートしはじめて12年経ちます。
昨年ケニアに行って最初にサポートした子どもたちに再会したら、一流企業で働いている子や、ケニア最難関の大学に通っている子、そして日本に留学している子も。みんなが「環境を変えられたのは教育のおかげ、教育を受けたからいろんな場所に行けた」と言っていたのが印象的でした。
中村 寄付後のフォローはどうなっているんでしょう。
MISIA 早川さんを通じて、子どもたちがどういうふうに成長しているかというのはご報告いただいていて、また寄付金がどのように使われているかも透明化しています。実際、現地では問題もあって、「これは寄付で建てられた病院だ」と言われ覗いてみたら、機材もなく看護師さんも誰もいない空っぽの建物で、びっくりしました。
あとは井戸を作ったものの、壊れたらもう使えないとか。やりっ放しにするんじゃなくて、そこに住んでいる人たちができる速度で、できること、やりたいことをサポートできるものがあればサポートする。そうした関係を築いて、できることを見つけていくのが現実的なのかな。