二条駿河屋
葛焼き

皮の中はプルプル食感、
上質の小豆と葛の味わいを
ギュッと一つにとじ込めた
夏の茶席の定番菓子

口当たりの良い葛菓子は夏の定番。プルプルの食感、のど越しの良さなど、清涼感にあふれるだけではありません。葛は漢方薬の一つですから、体力を消耗する暑い季節にはうってつけの味覚でもあります。

目に涼しげな葛菓子が多く出まわるなか、葛焼きは少し趣を異にします。葛と小豆のこし餡を練りあげた蒸し羊羹に粉をまぶして焼いたもので、この道60年の店主がつくる二条駿河屋の葛焼きは、米粉をまぶしてしっかりと焼き目をつけるのが特徴。蒸し羊羹で知られた駿河屋の流れをくみ、茶の湯菓子に定評のある店です。

 

見た目はやや地味な葛焼きですが、お茶人の間ではとても人気があります。楊枝を入れた時の蒸し羊羹のねっとりぷるんとした感触、口に運んだ時の葛と小豆の香りがふんわりと鼻に抜ける感じは忘れがたく、一度その味を知ってしまうと、やみつきになる通好みの菓子です。