認定調査の実例
認定調査の時に、利用者の様子に不信を感じたら、調査員は質問の角度を変えて、調査票に補足することでフォローすると指導を受けています。しかし、時にはこんな例もあります。
医師からアルツハイマー型認知症と診断されたものの、調子のいい時には家の中もきちんと片付けられ、買い物も身の回りのことも一人でできる方が初めて申請をすることになりました。調査当日は本人が調子がよく、訪問してきた調査員にしっかりと受け答えをし、「自分は何でもできるし、どこも悪くない」と主張。しかし、継続してみている家族には、認知症の症状が出始めているのがわかっているため、事実を伝えたいと考えました。
親の性格上、目の前で否定すれば怒り出すとわかっているので、家族が帰ろうとする調査員を追いかけ、父に聞こえないところで実態を訴えると「後で書いておきます」と言われたそうです。結果は、親の主張通りになっており、家族は「自分が伝えた補足を書いてくれたのか、疑いの気持ちも残ってしまう」と残念がっていました。その場で調査票に補足を書いてくれればいいのですが、調査員も1日に何件も訪問しなければならないため、補足ができない場合もあります。
調査員にお茶やお菓子を出したり、手土産を渡したりすべきか、相談されることがあります。基本的には、調査員や介護関係者が手土産や謝礼を受け取るのは事業所で禁じられていますし、それによって調査結果がかわることもありません。