(写真提供◎photo AC)
災害や事故、介護や相続など、人生には不測のトラブルや、避けられない困難が訪れます。とはいえ、気軽に聞ける弁護士や税理士が身近にいるとは限りません。専門的な知識を得ることで、冷静な判断で被害を減らしたり、計画的に備えたりすることができます。ジャーナリストとして長年さまざまな現場を取材しているファイナンシャルプランナーの鬼塚眞子さんに、暮らしに役立つ豆知識を聞きました。第16回は「介護認定について」です。

前回 「近所の人に5分おきに電話をかける、財布を盗まれたと交番へ…。認知症は人ぞれぞれ。家族で解決しようとせず、早めに専門家に相談を」はこちら

目次
公的支援を受けるには
介護認定までの流れ
 ・ 第一次判定

 ・ 第二次判定
支援と介護の違い
 ・ 「介護予防サービス」とは
 ・ 「要介護サービス」とは
要介護認定の有効期間
判定に不満があった場合
 ・ 不服申し立て
 ・ 区分変更申請
認定調査の実例
認定調査で失敗しないために


公的支援を受けるには

公的介護保険サービスを受けるためには、利用を希望する本人もしくは親族等が市区町村の介護保険課に申請し、要介護認定を受けなければいけません。しかし、認定のための調査で、ご家族が普段以上に頑張ってしまったりして、実態通りの認定を受けられないケースもあるのではないでしょうか? 今回は、介護認定までの流れと、失敗しないコツをお伝えします。

 

介護認定までの流れ

公的介護保険サービスを受けるためには、利用を希望する本人、もしくは親族等が市区町村の介護保険課に申請をすることからスタートします。介護保険制度が利用できるのか、できるとしたらどの程度の介護度合いなのかを2段階で調査して判断します。
これを「要介護認定」といいます。

 

●第一次判定

申請後、行政から依頼を受けた認定調査員が、利用希望者と面談して、聞き取り調査を行なうのが認定調査です。認定調査員は、1)概況調査、2)基本調査、3)特記事項の3つに分類された質問事項に従って、利用希望者に質問をしていきます。

認定調査票<改正後(新) (mhlw.go.jp/PDF)>

こうした認定調査と主治医の意見書を元に、コンピューターで中立に判定していくのが第一次判定です。これが終わると、第二次判定に進みます。

 

●第二次判定

第二次判定では、市区町村に設置された医療・看護・福祉などの学識経験者から構成された審査会で、介護度を決めます。介護認定審査会では、「要支援」か「要介護状態」かの検討を行います。