笑いとそれ以外を結びつけ続けてきた鈴木おさむ

鈴木おさむの仕事は、この『SMAP×SMAP』のように、お笑い芸人の笑いに特化したバラエティ番組ばかりではなく、笑いから他のエンタメジャンルへとさまざまなかたちで広がっている。そこに彼が、放送作家の歴史において果たした重要な役割のひとつもあるだろう(以下の事例は、『WEBザテレビジョン』2017年10月10日付のインタビューに基づく)。

 

鈴木さんの手掛ける仕事はバラエティ番組ばかりではなく、笑いから他のエンタメジャンルへとさまざまなかたちで広がっている(画:峰岸達)

その一例として、『クイズプレゼンバラエティー Qさま!!』(テレビ朝日系、2004年放送開始)がある。

最初深夜で始まったときは、クイズのかたちを借りたお笑い芸人によるディープなバラエティ番組だったが、夜8時台のゴールデンタイムの放送になった際、「プレッシャーSTUDY」という一般教養クイズ企画に切り替えた。

そこから、ロザン・宇治原史規やメイプル超合金・カズレーザーなどの高学歴インテリ芸人が注目を浴びるようになり、現在のクイズ番組全盛時代のきっかけとなった。

また、鈴木おさむは、お笑いコンビ・ココリコの『ココリコミラクルタイプ』(フジテレビ系、2001年放送開始)も、思い入れのある自分の仕事としてあげている。番組の内容は、視聴者の体験談をコントにするというもの。

この「再現コント」の手法は、『痛快TVスカッとジャパン』(フジテレビ系、2014年放送開始)など現在では定番化しているが、そのパイオニアとも言えるのがこの番組だった。これもまた、笑いとそれ以外の要素を結びつけることによって生まれたものだ。