「BISTRO SMAP」などが人気を博した『SMAP×SMAP』を手掛けた鈴木おさむさんこそ「お笑いとそれ以外を結び付け、拡大した代表的な存在」(写真はイメージ。提供:PhotoAC)
今テレビをつければ「商品ランキング」「高学歴芸人によるクイズ」などを扱った番組をよく目にします。これら番組の企画や構成を考えるのが放送作家ですが、先に挙げたような番組の誕生に携わってきた一人が鈴木おさむさんだと、社会学者の太田省一さんは言います。メディアと社会・文化の関係を研究する太田さんいわく「鈴木さんこそ、それまでのテレビが模索してきたお笑いとそれ以外を結び付けるハイブリッド的手法を受け継ぎ、拡大した代表的存在」だそうで――。

放送作家・鈴木おさむとSMAP

90年代、バラエティ番組の成熟は、お笑い芸人以外にもバラエティ番組で活躍する意外なタレントを生み出した。その代表格が、ジャニーズアイドルのSMAPである。そして彼らにも、ともに番組をつくるブレーン的存在の放送作家がいた。

鈴木おさむである。

鈴木は、1972年千葉県生まれ。高校2年のときに、高須光聖もかかわっていた『夢で逢えたら』を見て、そこで演じられているようなコントを書きたいと思い、放送作家を志した。

そして明治学院大学経済学部の学生時代に、放送作家になるため芸能事務所の太田プロダクションに売り込みにいった。その際、放送作家になるには芸人の気持ちがわからなければダメだと言われ、半年間芸人として舞台に立つ経験もした。

そうして放送作家となった鈴木おさむは、よゐこのラジオ番組に携わった縁などでフジテレビのディレクター・片岡飛鳥と出会い、ナインティナインらが出演した深夜バラエティ『とぶくすりZ』(1994年放送開始)の作家として番組に参加するようになる。この番組が、後の人気バラエティ番組『めちゃ×2イケてるッ!』(1996年放送開始)に発展していった。

ほかにも『笑っていいとも!』など、多くの有名バラエティ番組の作家を務めてきた鈴木だが、なかでも大きかったのが、SMAPとの出会いである。