ポイントは良い空気をつくること

Bは自分の仕事ぶりをストレートにアピールするわけではありません。場の雰囲気を読んで、仕事仲間の状況を考えながらコミュニケーションをマメに取る。いわばムードメーカーになることで、自分が職場に必要な人間だとさりげなくアピールする方法です。

たとえば、仕事でわからないことを上司に教えてもらったら、5割増しでお礼を言う。さらに後日、「あのとき〇〇さんが教えてくださった通りにやってみたら、すごくうまくいきました。ありがとうございました」と報告すれば、上司だって「自分の話をちゃんと聞いて仕事に活かしている」と思い、良い気分になるでしょう。相手が喜び、自分の仕事ぶりも印象づけられる。ウィンウィンの結果につながって、幸せスパイラルが起こるという流れです。

気をつけたいのは、上司に好かれたいという下心を持たないこと。口先だけのお世辞やお近づきになりたいという打算的な言動は、相手にも伝わるものです。媚びていると取られて逆効果になりかねません。あくまでその場の雰囲気や相手の状況にあわせて、良い空気をつくるのがコツ。

わざとらしい対応になりそうだと思う人は、学生時代の部活のノリを思い出してみましょう。上下関係が厳しかった昭和の部活で、先輩に対してハツラツとした受け答えをしていた、あのノリです。「見習います!」「参考にします!」「ありがとうございます!」。笑顔で受け答えされて、イヤな気になる人はいないでしょう。

 

(イラスト◎大野舞)