繰下げ受給をすると、税金が増える?

繰下げ受給をすると年金の受給額は増えます。70歳まで繰り下げたときには42%の増額になります。すると、税金や社会保険料も上がります。

ただし、これは受給額が多い人です。たとえば、年金額が200万円の人は、たしかに税金や社会保険料が増えます。そのため、損益分岐点が約12年より後にズレます。

それぞれの条件によって異なりますが、14~15年くらいになるかもしれません。そうはいっても、増えた分より多くを取られることはないのです。

一方、もともと受給額が少ない人、たとえば70万円くらいの人は、年金が増えてもさほど大きな影響は出ません。

繰下げ受給をしたときの手取り額の例(図:『私の老後 私の年金 このままで大丈夫なの 教えてください。』より)

繰下げ受給の目的は、老後の暮らしを楽にするために少しでも年金を増やすことです。

考えてみてください。お給料が上がれば、税金だって増えています。でも、「税金が気になるから昇給はやめて」と頼む会社員はいませんよね。それと同じ。「税金が上がるから、繰下げ受給は損」とはいえないのです。