俳句を始めてみたい人、ちょっと経験のある人にお送りするスペシャル企画です。人気の俳人・夏井いつきさんが講師となり、作句のコツを伝授。これを読めば、すぐ一句詠みたくなること請け合いです(構成=篠藤ゆり イラスト=霜田あゆ美)

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自分の句を《鏡》に映してみると

俳句を作ってみたけれど、出来が良いのか悪いのかわからない……と皆さんおっしゃるように、自分の句はなかなか客観的に見ることができません。自分は句を作った背景を全部知っているから、ちゃんと伝わる句になっているのか評価しにくいのです。

俳句作りを始めたら、『歳時記』に載っている古今の俳人の句を眺めたり、ほかの人の句や選評に触れたりする機会が増えると思いますが、それも俳句上達には大切なこと。一番手っ取り早い上達方法は、俳句仲間や適切な指導をしてくれる先生など、他人に見せて講評してもらうことなのです。

独学もいいのですが、「句会」も楽しいですよ。通常は、無記名で自分の句を提出し、皆で読んで講評したり順位をつけたりする場になっているので、機会があれば参加して楽しんでください。趣味の集いだったり、先生がいたり、いろいろな句会があると思います。

これは私の師匠の黒田杏子先生が言っていることですが、句会とは、皆の胸に持っている《鏡》に自分の句を映すことなんです。その映り具合を見て、「あ、ちゃんと届いているな」「意味すらわかってもらえていない」などと気づける。できれば、より良い《鏡》(先生)に映すのがベストです。

ただし、どの《鏡》が自分に向いているかわからない。初心者で句会はまだハードルが高くて……という人は、気軽に投句できる媒体を利用するのもいいと思います。