(写真提供◎photo AC)

老後夫婦二人の収支

生命保険文化センターの令和元年の生活保障に関する調査では、夫婦二人の老後の最低日常生活費は月額22.1万円、ゆとりある老後の生活費は月額36.1万円となっています。

筆者が北海道から九州の離島まで、各地の知人に聞いたところ、夫婦で年金生活をする場合、1ヵ月の生活費が15万円というのが主流でした。ただ、地方の方は、子や孫との同居で、生活費をやりくりされているケースも。田畑を所有している例も多く、野菜などを作ったり、沿岸部では魚を釣って食費の足しにしている家庭もあります。

主な支出項目は、住宅ローンがなければ、食費と光熱費、通信費、日用雑貨代、医療費といったところです。他は定年後はめったに服を買わない、化粧品もランクを落とすなどで工夫をされているようです。

地方では子どもと同居していたり、食品の自給自足ができたりするため、何とかなりそうですが、都市部のシニアはどうしているのでしょうか?やはり、定年後も再就職する方が多いようです。

筆者が聞いたシニア20人は、「社会との接点を持ちたい」「どこも雇ってもらえないとなると、社会から孤立したみたいで、ものすごく寂しい」という理由から働くことを選択していました。

しかし、多くの方が挙げるのは経済的不安です。「人生100年なら、退職金+年金だけでは非常に不安。介護や病気になれば退職金は目減りするのは目に見えている。年金が多少減っても稼げるときに稼ぐ」との声が圧倒的でした。