ゲネプロでサラ役を可憐に演じる明日海りおさん。赤い制服姿が凛々しい

「特別な魔法にかかったような、幸せ感があります」(明日海りお)

元宝塚歌劇団花組トップを務め、2019年に退団後は舞台だけでなく映像などに出演し、幅広く活躍している明日海りおさん。本作では、超堅物の救世軍軍曹サラ役で、スカイとの出会いによって揺れる女心を熱演する。

「本当に華やかなナンバー、わくわくするものがギュッと詰まっている。この世界観の中に自分も生きているんだと思って、特別な魔法にかかったみたいな幸せ感があります。マイケルを筆頭に、素敵な共演者の皆さんとああでもない、こうでもないと、何度も何度も作って壊して一つずつ積み上げた世界がようやく今日放たれ、皆さんにご覧いただけると思うと本当に楽しみです」

と作品に対する熱い思いを述べた。

男役として演じていた宝塚時代とは違うようで、井上さんに手を差し出すときに、手のひらを表にするか裏にするか迷うなど、些細なことが分からなくなることがあったそう。前出の『婦人公論』の対談では、女優としてのオファーを受けた時のことを、こう振り返っている。

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明日海 実は、宝塚音楽学校の予科生の時に、紫吹淳さんがトップスターだった月組で上演されていて(2002年)、観に行っていたから親しみがあって。マネジャーさんから「今度新たな演出でやるんですよ」と聞いた時は、「おお!」となり、次に「キャスティングのオファーをいただいているんですけど」と言われて、「え、私が出るの?」と。

望海 最初、男役だと思わなかった? ギャンブラーのスカイかネイサンか……。

明日海 思った(笑)。サラ役ということがわかった後も、もしかして先方は私のことをあまりご存じない? と疑いましたね。

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そんな明日海さんだが、今回の役を演じる中で、不安を抱えることもあったそう。

「自分らしくいられているだろうか。とか、その兼ね合いがすごい難しかったですけど、望海と一緒にいる場面は、あまり意識しすぎず自然体で(いられた)。自然体だけど女性らしくいられている気がします」