ゲネプロにてネイサンの婚約者アデレイドを演じる望海風斗さん。圧倒的歌唱力で会場を包む

「本当にこのカンパニーの一員になれることがすごく幸せ」(望海風斗)

元雪組トップスターで2021年に宝塚歌劇団を退団した望海風斗さんは、ネイサンの婚約者アデレイド役を演じる。劇団時代からの圧倒的な歌唱力は、女性の役でも健在だ。

「本当にこのカンパニーの一員になれていることがすごく幸せなことだなと。この数年我慢することや、心を痛めるニュースが多い中で、こうして明るい作品をマイケルさんと共にみんなで作って、お客さんを迎えられる今が、どれだけ幸せなことか。自分のことはさておき、本当に素敵な作品に仕上がったので、早くお客様に見ていただきたいなという気持ちでいっぱいです」

ただ明日海さんと同じく、男役との違いに戸惑うこともあったそう。そんな時、宝塚出身の俳優とよく共演している井上さんと浦井さんが、自然にいられる空気を作ってくれたという。

宝塚音楽学校の同期生であった明日海さんとは、お互いを違うタイプと認めつつ、切磋琢磨し合った仲。89期生として入団後、違う組に配属となったが、それぞれの舞台は見て相手の積み重ねを感じていた。

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望海 入団後10年経ってもコツコツと積み重ねていく部分が全然変わっていないことに心打たれた。もちろん、輝きはさらに増しているんだけど、自分との闘いを淡々と持続できることがすごい。恐れ入りました、と胸の中でお辞儀をしていました。

明日海 私のほうこそ、あやちゃんの舞台を観続けながら、三番手、二番手、トップと、どの位置にいても、男役に対する熱さがまったく変わっていないことに感動した。寮の部屋で語り合った憧れの気持ちはそのままに、それでいて表現がどんどん細やかに深まっている感じで……。

望海 こんな話、あまりしてこなかったね。私たち、お互いの舞台を観に行った時は、楽屋を訪ねて、たわいない話をしていたじゃない? あの衣装、大変でしょ、とか。私たちだけにわかる「あるある」。すごく短い会話なんだけど、言い合うだけで元気になれた。あと同期だからこそ、「あの場面のここが気になった」と指摘したり。

明日海 同期だから言えること、かつ、同期にしか言えないことだよね。アドバイスがものすごく貴重でした。同じ熱量を持っていて、それでいて視点がちょっと違うという、なかなかいない条件の存在だから。(笑)

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明日海さんと望海さんとの共演が観られる、貴重な舞台でもある今回の『ガイズ&ドールズ』。

「音楽学校に戻ったような感覚で。懐かしい気持ちで一緒にお芝居出来ましたし、芳雄さんと明日海、スカイとサラがお芝居しているのを見て、すごいドキドキしました」

と気持ちを述べている。