今年こそ何かあるかなぁ、とどこかで期待してしまう「悲しい日」――(写真はイメージ。写真提供:photoAC)
時事問題から身のまわりのこと、『婦人公論』本誌記事への感想など、愛読者からのお手紙を紹介する「読者のひろば」。たくさんの記事が掲載される婦人公論のなかでも、人気の高いコーナーの一つです。今回ご紹介するのは60代の主婦の方からのお便り。毎年その日になると、「ああ、あの時、やめておけばよかった」と思う日があるそうで――。

結婚記念日が来るたびに

「そういう男だ」とは思っていた。それでも今年こそ何かあるかなぁ、とどこかで期待していたが、やっぱりなーんにもなかった、42回目の結婚記念日。

「今日は結婚記念日だね」の言葉も、花束もケーキもない。しかも主婦は、自分の誕生日や母の日、結婚記念日でも、家族のために食事を作ってあたりまえの立場だ。

かつてはワインやお花を自ら買ったこともあったが、夫が「何の日」なのか認識してくれなかったので、一切やめた。

せめて誰か「今日は外食にしない?」 とか、「ピザとらない?」と言ってくれないものか。悶々としながらいつも通り家事をして、買い物に出て献立を考える。

3時に夫がおやつを買って戻ってきた。自分用に豆大福を1つ。私の分はない。わかっていたのに、虚しくなる。

べつにお花やワインがほしいわけではない。でも毎年、結婚記念日が来るたびに、「ああ、あの時、やめておけばよかった」と思ってしまうのだ。こんな悲しい日はない。


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