よく耳にする「家は賃貸か、それともマイホームか」論争。実際に金融広報中央委員会が2021年に発表した「家計の金融行動に関する世論調査」を見れば、2人以上世帯の持ち家率は全国平均で70.7%と高い割合になっています。しかし公認会計士で、お金に関する著書を多数持つ金川顕教さんはといえば、断然「賃貸」派だそうで――。
若いうちは「賃貸」をおすすめするわけ
”人生の最大支出”とも言われる「マイホーム」「教育」「老後」。そのうち、今回は「マイホーム」と「老後」について考えてみたいと思います。
昔は賃貸派かマイホーム派かで圧倒的に分かれていましたが、今はマイホーム派より賃貸派のほうが多いのではないでしょうか。私個人としても断然、賃貸派です。
将来がどうなるかわからない今のご時世、たとえ収入が下がっても、賃貸であれば安いところに引っ越せます。でもマイホームを買うと返済額が決まるので、簡単に家賃を下げられず、生活が厳しくなります。
そこで私がおすすめするのは、若いうちは賃貸で、老後にマイホームと、2つにステージを分ける考え方。若いうちは転勤があったり、新しいチャレンジをしたり、仕事面でも変化が多く、家族構成も変わりやすい。
マイホームを建てても、子どもが家から出ていけば部屋は余りますし、離婚する可能性もあります。だから賃貸でOK。それが第1ステージです。
そして子どもが独立して、夫婦二人あるいは自分一人になった第2ステージで、マイホームを買います。若いうちは、老後にマイホームを一括で買えるように頑張って貯金しておくわけです。