こぶしが寝たきりになったら

まあ、のんびり家で寝てるこぶしも好きだから無理して歩かなくても良いけど、寝たきりになったら今度は床ずれとかが出てくるから動けるに越したことはないだろう。いつまでも自分の足で立てたり、寝返りを打てたりしてほしい。

こぶしと一緒に眺めた富士山。(写真:『うちの犬がおじいちゃんになっちゃった 愛犬こぶし日記』より)

本当に寝たきりになったらずっと体をさすったりしないといけないんだろうな。ごはんが食べれれば良いけど、ごはんも口からスプーンとかで少しづつ入れてあげるようになっても、付きっきりは難しいかもしれないな。それでもやっぱり生きていてほしいと思うんだろうけど。

今はかなり高度な治療や検査ができる動物病院がたくさんあるから、どういう状況なのかがわかったとして、まったく良くなる見込みがないときは自分たちはどうするのだろうか。

ずっと病院にいて寝たきりで点滴を打っているこぶし。そうなったら3人でいつも一緒に行っている箱根に、のりちゃんとこぶしと3人で泊まりに行って、ずっと思い出を喋りたい。3人で生きてきた日々を話したい。

ずっとこぶしを抱っこして、いろんなところに連れて行ってあげて、たくさんいろんな場所の匂いを嗅がせてあげたい。

こぶしはお風呂が好きだから、一緒にお風呂に入って、身体を乾かして、ずっとさすって一緒に寝る。そんなことしていたら絶対生きてほしくなって、なんとかギリギリまで生きてもらおうと思って、また病院に連れて行ってしまうのだろう。

やれるだけやることしか老犬の介護の選択肢はないなと思う。

※本稿は、『うちの犬がおじいちゃんになっちゃった 愛犬こぶし日記』(カンゼン)の一部を再編集したものです。


うちの犬がおじいちゃんになっちゃった 愛犬こぶし日記』(著:やついいいちろう/カンゼン)

「僕はその日をどんな想いで迎えるのだろう」。ペットの終活に向き合いはじめたエレキコミックやついいちろう。愛犬との日々を綴った温かくてちょっと切ないエッセイ。