(イラスト◎大野舞)
スピリチュアリストとして、さまざまな角度から読者のお悩みに答え、生きる指針を示してくれる江原啓之さん。現在は熱海に在住し、ていねいな暮らしをしながら日々「生きる上で大切なこと」を発信し続けています。『婦人公論』のリニューアルにあたって始まった新連載「〈幸せぐせ〉を身に着けよう」。第6回は「引きこもりの子への親の対応」です 

Q 働かず引きこもり気味の子に、親はどう接する?

A)本人が動き出すまで根気よく見守る

B)家事を分担させて、徐々に自立を促す

親がいなくても食べていけるよう促すのが愛情

わが子が幼いころは無限の可能性を感じ、壮大な夢を抱くのが親というものです。人とは違う才能がある、将来は得意なことで偉業を達成するかもしれない……と。しかし子どもが成長するにつれ、現実的になり、「大きな期待はしない。とにかく自立してくれたらいい。働き、己の力で生きていってくれればそれで良し」と悟るものです。とはいえ、思惑通りにいかないのが子育て。子どもが何かの理由で家から出ないケースもあるでしょう。そんな姿を目の当たりにすると、親としてやきもきするのも当然です。そこで取るべき態度はAかBか。もしあなたが親だったらどうするでしょうか。

子どもに何らかの病気がある、いままさに動こうともがいているという場合は別ですが、幸せぐせの接し方はずばり、Bです。

Aを選んだ人は、子どもの自主性を尊重し、あたたかく見守っているつもりかもしれません。でも心のどこかに、アレコレうるさく言って子どもが逆ギレしたらどうしようと、腫れ物に触るような気持ちはないでしょうか。誤解を恐れずに言えば、見守るという行為のなかに、「向き合うのが怖い」という一種のネグレクトがあるのではないかと私は思います。なぜなら「愛の反対は無関心」だから。

子どもの未来を考えれば、親がいなくても食べていけるよう促すのが愛情です。もちろん「働きなさい」と言われた子どもが、すぐに「ハイ、わかりました」と納得するほど甘くはない。けれど、子どもにうるさがられても言い続けることが大事です。ただし、言い方や接し方には注意しなければなりません。できないことを責め立てるのではなく、なぜできないのか子どもの気持ちに寄り添い、未来をともに考える姿勢が大切です。