照ノ富士が、土俵に腹ばいに倒れるとは…

コロナ休場だけでなく、勝敗そのものも波乱だった。

14日目、2敗の逸ノ城が勝ち越しをかける前頭10枚目・明生にあっけなく敗れ、3敗の貴景勝が勝ち越しをかける関脇・若隆景に完敗した。

照ノ富士は、闘志と落着きを見せながら土俵に上がった。対戦相手は4度目のカド番を脱出した大関・正代である。正代は、初日から1勝4敗で大関の地位維持は絶望かと思えたが、その後連勝し12日目に勝ち越した。しかし、13日目に貴景勝に良いところを見せられないまま負け、8勝で満足してしまうのかと思われた。

だが、正代は素早く照ノ富士をいなし、引き落としで破った。対戦相手を研究しつくし、頭脳相撲を取る照ノ富士が、土俵に腹ばいに倒れるとは…。勝ち名乗りを受ける正代の頭に観客が投げた座布団がぶつかった。正代はそれを手で受け止め、横に投げ、懸賞金の厚い束を持って平然と土俵を降りた。正代の底力、恐るべし。

残念だったのが、結びの一番が済んだ時点で午後6時の放送終了時間がきて、照ノ富士と正代の相撲の再生を何度も見られず、正面解説の武隈親方(元大関・豪栄道)、向正面解説の西岩親方(元関脇・若の里)の相撲分析をじっくり聞けなかったことだ。

新型コロナの関係で12部屋の全力士172人が休場。これは力士全員の約3割に当たる。取組が少なくなっているので十両、幕内の土俵入り時間を遅らせた。しかし、物言いでの長い協議、取り直しの熱戦があり、それは見どころがあり良かったのだが、午後6時の放送時間終了がきてしまった。大相撲の取組時間の予想は難しい。ネットで後で見られるが、ライブの興奮を味わいたかった。