口より先に手が、パッカ~ンと(笑)
遊三 怒ったので覚えているのは、前座の頃、同期の左遊という弟子と二人、朝メシを食ったあと2階に上がっていったろ。太鼓の音がするので、「おっ、稽古か。感心だな」と思って階段を上がって、戸をガラッと開けたら、二人でタバコをスパスパ。片手で太鼓を叩きながら。
小遊三 音さえ鳴らしときゃ、「稽古してる」と思うだろうと。
遊三 あのときは怒ったね。
小遊三 口より先に手が、パッカ~ンときました。(笑)
遊三 ただ、タバコについちゃあ、あたしも言えないんだな。四代目圓馬師匠の弟子になって、師匠のお宅に寝泊まりさせていただいたとき、内緒でタバコをやってたんだよ。あるとき便所で窓を開けてスパ~ッとやってたら、並びにある茶の間の窓に煙がふわふわ~っ。「なんだ、この煙は?」と師匠にめっかって怒られた。でも「吸ってもいいけどうちだけだよ。寄席ではいけないよ」と許していただいてね。あたしの師匠も寛大だった。