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やりたいことをやる姿に自分を生きると決めた

取材の日、パソコンの画面に映し出されたのはマスク姿の二人の女性。ショートヘアで朗らかな久美子さん(50歳)と、焼けた肌に明るい色のロングヘアが似合う静香さん(64歳)だ。

「今日は《海活》の後、静香さんの家でお昼を食べたところです。ラタトゥイユがすごくおいしかった」と久美子さんが言うと、「冷蔵庫に残っていた、あり合わせのもので作っただけだから」と照れる静香さん。14歳の年齢差を感じさせず、仲のよい姉妹のように見える。

神奈川県茅ヶ崎市に住む二人が出会ったのは2年前。地元のサーフショップが主催する、ビーチのゴミ拾いでのことだった。

「当時私は東京から越してきたばかりで、友だちができればと思って参加したんです。静香さんの第一印象は『カッコいい地元の人』。細身で、髪を無造作にアップにして、サングラスが似合っていて。てっきり茅ヶ崎の人だと思っていたので、私と同時期に都内から越してきたと聞いて驚き、年齢を聞いて二度びっくり」と久美子さん。

自然と仲良くなった二人は、週に一度はサーフィンやボディボードを楽しみ、一緒に昼食をとるのが習慣になった。

久美子さんは以前、都内の大規模マンションに住んでいた。だがコロナ下で都心の生活に閉塞感を覚えたことや、子育ての悩み、親族間のトラブルなどが重なり、夫と子どもと3人で茅ヶ崎への移住を決めた。

一方の静香さんは10年前に離婚し、その直後に元夫を亡くしている。2人の子どもも巣立ったので、若い頃から憧れていた海辺の暮らしを実行に移した。