幻のファイナル公演、奇跡の復活
今日2022年8月19日に傘寿を迎えた歌舞伎役者の松本白鸚さん。半世紀を超えるミュージカル単独公演、自身のライフワークともいえる不朽のミュージカル『ラ・マンチャの男』の「ファイナル公演」が2022年2月6日に日生劇場で開幕したものの、新型コロナにより25回の予定が7回をもって終了してしまっていた(通算上演回数は1314回)。
この「幻のファイナル公演」が同キャスト(伊原剛志さんは今回初参加)で復活することが決まり、自身の80歳の誕生日に発表された。
松本さんは「生涯で一番嬉しい誕生日になりました。初演は26歳、ブロードウエイに行ったのは27歳の時でした。それから53年…。万感の思いです。前回中止の時、劇場まで足をお運びくださったお客様のため『ラ・マンチャの男』の火を、今日まで灯し続けてくださった皆様のため、初日から千穐楽まで一所懸命勤めるつもりです」とコメント。
同公演には、松本さんの娘であり女優の松たか子さんもアルドンザ役で出演している。2月に父の記念すべきファイナル公演が中止となったことに関して、6月19日に放映された『日曜日の初耳学2時間SP』にゲスト出演した際、父についてのエピソードを語る中で、どれだけ残念だったかと父の心情を察し、しかしそれを淡々と受け止め共演者を励ました父の姿を思い出し、涙が止まらなくなる場面があった。奇跡の公演復活と最後の『ラ・マンチャ』の父娘共演に喜びもひとしおのことだろう。