「自分だけが何らかの利益を得る」ことが苦手

このような傾向は、単に皆で何かを一緒に食べるといったシチュエーションでも頻繁に現れる。

大半の大学生は大皿系の食事が苦手だ。どうしてもきれいに均等分配できないからだ。コストコで巨大なホール型ティラミスを買ってきたときなどは大変だ。それを11人でシェアするときなどはますます大変だ。そもそも誰も切り分けようとはしないし、嫌々切り分け係になった人は、いかにしてきっちり11等分するかで四苦八苦する。

皆さん忘れているかもしれないので、こうなる理由をもう一度言う。いい子症候群の若者たちは、とにかく差がつく状況が苦手であり、特に過敏に反応するのが「自分だけが何らかの利益を得る」状態だ。

円形をきっちり11等分しようとするのも、少なくなった人がかわいそうというより(その人自身は全然気にしない)、多くなった人の気まずさを意識してのものだ。

だからそんなとき、筆者はこう言う。

「先生は偉いからふたり分ね」おっと、これで12等分して、そのうちの2ピースを先生に渡せばいいではないか! 先生、まさに神(ちなみにティラミスはケーキの王様です。まさにキングオブケーキ)!!