多くの若者たちが支持するマンガ

ここでなお書きを3つ。

1つ目。実績分配や努力分配もそれぞれ15~25%ほどは存在する。成果にストレートに連動した社長賞なら、実績分配を公正だと思う若者は支持するだろうし、努力分配支持者は「がんばったで賞」であれば納得感を抱くだろう。

2つ目。平等分配支持者のスマホには、高確率であみだくじアプリが入っている。理由はご想像のとおりだ。

3つ目。こうしたいい子症候群の若者たちの姿勢と、マンガやアニメ(特に『週刊少年ジャンプ』系)の主人公がストレートに自分の欲求を表現する姿は、まさに対極にある。

多くの若者たちがこういったマンガやアニメを支持する理由として、自己主張できないリアルな世界の自分の裏返し、と見ることもできる。と同時に、「いい人(キャラ)しか出てこない」ことも最近のポイントだ。

これはドラマや映画にも共通するが、前は主人公たちに徹底的にいじわるするキャラの存在は定番だった。しかし今は「そういうのはいらない。なんか落ち着かない」と言う若者が多い。

 

※本稿は、『先生、どうか皆の前でほめないで下さい――いい子症候群の若者たち』(東洋経済新報社)の一部を再編集したものです。


先生、どうか皆の前でほめないで下さい―― いい子症候群の若者たち』(著:金間大介/東洋経済新報社)

ほめられたくない、目立ちたくない、埋もれていたい……。今、こんな若者が激増している。
・「成功した人もしない人も平等にしてください」
・選択の決め手はインフルエンサー
・「浮いたらどうしようといつも考えてます」
・LINEグループで育まれた世界観
・もう「意識高い系」とすら言わない
・上司からの質問を同期に相談する
・自分に自信はないけど社会貢献はしたい
令和の時代の重大異変を、イノベーションとモチベーションの研究家が徹底分析!