節約は知的な行為

日常の買い物だけではなく、電気器具など大きな買い物は高価なものが多いので、あちこち調べ、ほかの人には便利でも自分の生活ではどうなのだろう、一番よく使うのはどの機能だろうと、日頃の自分の使い方を振り返るようにもなりました。

これまでの「ただ買えばいい」という雑な買い物とは大きな違いです。その結果、日々の生活はより快適になり、お金も浮くというわけです。

節約とは1円でも安いお店を探すことでも、ティッシュや洗剤の量を減らすことでも、安ければいいと身体によくない食べ物を摂ることでもないんですね。

節約しながらも、美味しい料理が次々と生み出される紫苑さん宅のキッチン(撮影:林ひろし)

節約とは限りあるお金をどんなふうに「遣う」かを考え抜く知的な行為なんですね。

衣食住という生活全体のバランスを考え、衣服の分野では自分に似合う洋服をできるだけお金をかけずに探す、住まいにはどのくらいのお金を遣い、何があれば、あるいは何を片づければ心地いい空間になるのか、一つ一つの分野を検討し、考え、決定していかなければなりません。

「知的」な暮らしとは縁遠く、むしろ劣等生として大雑把に暮らしてきたこれまでとは大きな違いです。